さて、では暇な話をしようか。
…暇な話ならするな?
はっ、そんな事など知らんな。
俺が一方的に話したいから話すんだ。
久し振りに人の声を聞くんだから、もっと有意義な言葉を聞かせろ。
では、暇な話に移ろう。
そうだな…今回は、俺から分離した存在の一人の話をしよう。
関西弁をしゃべくっては頭の悪いボケをかます、しかし決して馬鹿じゃあない男の話だ。
まず奴の特徴をひとつ上げるとしたら、その馬鹿明るさと人懐っこさと言うべきか。
大体、俺から分離した存在なんてものは、俺の力を受け継いでも居る筈だから、孤独になる筈なんだが。
あいつはそれに抗うかの如く積極的に人と接する。
…ん?俺の力とは何か?
あぁ、夢を見せるのさ。飛び切りの悪夢をな。
後、影を操る事も出来るし、死なないし老いない。
…何だ、その嘘つきを見る眼は。
くくっ、まぁ良いさ。お前もいずれ分かるだろうからな。
まぁいい。話に戻ろうか。
先程話した通り、そいつはとても明るい奴だ。
裏表の無い事実。それは偽り無いんだろう。
けどな、そんな純粋が早々あると思うか?その代償は必ずあるのさ。
そいつは色んな人と積極的に関わり、その思い出と縁を大切にする。
それが故に、友人の最後だけは全部見送ってきた。
友人や知人の最後を、全部全部看取っている。
忘れないように、刻み付けるように、まるで心に刺青でも彫るみたいにな。
痛くない筈はないが、その痛みさえ奴は刻み込まなきゃならないのさ。
しかも奴は俺みたいに死なないし老いない。
ははっ、そう、地獄みたいなもんだな。
緩やかに緩やかに、自分以外のほとんどの人は死に絶えていく。
けれど独りは嫌だ。だからまた新たな縁を作る。その繰り返しさ。
俺はそいつが、どれだけその痛みに耐えて刺青を心に彫り続けるのかが、気になる。
どれだけ人との関係を続けられるのかが、な。
…ん?もしそれが本当の話だとして、あんたはどうなのか?
…残念ながら、俺はもう諦めて退場した身でね。疲れたとも言うな。
とにかく、他人の物語を覗き見るだけにしているのさ。
そして気紛れにこんな風に人に話す。お前が選ばれたのは偶々だな。
はは、まぁ、怒るな。その偶々を人とは大切にするんだろう?
偶然というものは予想が出来ず、それ故に面白い。
さぁ、暇な話はこれでお終いだ。
俺もそろそろ腹が減ったからな。これから食事とするか。
…そうそう、言い忘れていたが、俺の主食は人の夢でな。
まぁ、見付けるのも作るのもそう難しくは無いんだが。
俺が気に入るかの問題で、な。
そう言うわけだから、お前の悪夢が旨そうなモノである事を祈るとしよう。
…何だ、今更気付いたのか?鈍感な奴だな。
ああ、命に別状は無いから、そんなに怖がらなくとも良いぞ?
少々、精神の方は危ないかも知れんがな。
(では、お休み。良い悪夢を)
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巡(ダークライ♂寄)、通りすがりの旅人との会話。
会話の話題にしたのは、自宅ダクライの影璃。
巡は影の中から色んな人を覗き見てます。プライベートの欠片も無いでs(ry)
ちなみにこの後旅人さんは眠らされて悪夢を見せられ、もしゃもしゃ夢を食べられました←